大正6年に長崎で創業、100年以上の歴史をもつ酒蔵・吉田屋
雲仙普賢岳から流れ込む豊富な伏流水に恵まれた島原の地。
吉田屋は、大正6年に創業し、100年以上もここで日本酒を造り続けています。
私たちは「撥ね木」と呼ばれる約8mの巨木を用い、てこの原理で搾る「はねぎ搾り」という伝統製法にこだわって日本酒を作り続けています。
この製法は量産できない上に重労働、手間がかかりますが、自然の圧力で搾り出すので雑味がなく、すっきりとした味が特徴です。
機械化・大量生産に逆行するこの製法を受け継ぐ酒蔵も、現在では全国に5~6軒が残るのみで、長崎県でも私たち吉田屋のみです。
そんな伝統存続の危機に瀕している「はねぎ搾り」の魅力を多くの人に知ってもらいたい。
そこで今回、この「はねぎ搾り」で作る新たな日本酒、「Teto (テト )」と名付けた商品を皆さまにご紹介させていただきます。
この名前には、支援者の方々と私たち造り手が「手と手」を取り合って、二人三脚で伝統の継承に取り組めるように…との願いを込めています。
「Teto (テト )」の空白の部分を埋めていただける皆さまとの出会いを心待ちにしています。
花酵母で仕込み、撥ね木で搾る、世界初の日本酒を醸す
本プロジェクトでは、花から分離した天然酵母「花酵母」を使用した、新しい日本酒を醸します。
この花酵母は、東京農業大学微生物工学研究室のシャクナゲから分離したもの。
シャクナゲの花言葉は「威厳」「荘厳」です。元々、シャクナゲは高山植物で、険しい環境の中でも美しく咲くことからこのような花言葉が付けられたそうです。厳しい酒造りの環境の中、シャクナゲの花酵母で仕込むお酒は、バナナのように甘くフルーティーな香りとしっかりとした味わいが特徴です。
また、通常の製造過程では搾った後、2回の火入れ殺菌を経て商品となります。
しかし今回のプロジェクトでは、弊社伝統の撥ね木の槽(ふね)で搾った後、火入れをせずにそのまま生酒として瓶詰めをします。
「はねぎ搾り」ならではの雑味の少なさ、すっきりとした味わいに加え、生酒にすることで酒本来のフレッシュさがたっぷり残ります。
口当たりがさらっと軽く、日本酒好きの方はもちろん、初心者の方にもおすすめです。
花酵母で仕込み、撥ね木の槽(ふね)で搾っている酒蔵は当蔵だけ。
本プロジェクト限定で製造する生酒の味わいを、ぜひご賞味いただけると幸いです。
「100年の伝統を守る」蔵元としての使命感と覚悟
この「Teto (テト )」は、吉田屋の4代目蔵元である、吉田嘉明が企画しました。
私はここ、長崎県南島原で生まれ育ちました。小さな頃から蔵の跡取りとして育てられましたが、もちろん私自身にも酒蔵を守っていく使命があるとおぼろげに考えていました。
そして東京農大醸造科で酒造りを学び、卒業後、蔵を継いだのです。
大正6年からの吉田屋の長い歴史は「はねぎ搾り」と共に歩んできました。
これまで先代の背中を見てきた4代目蔵元である私には、この伝統を守る運命にあります。
伝統を守ることは、相当の覚悟が要りました。果たして自分がその伝統を守る器なのか。今、お客様に提示できるものは何なのか。
本プロジェクトで、その評価をお客様にしていただきたいと考えています。
100年以上続く伝統を未来へ受け継ぐと覚悟した、4代目蔵元のこだわりを味わってほしい。
「はねぎ搾り」という数少ない伝統製法を知って、歴史を感じながらお酒を味わってほしい。
そしてもっと、長崎県の酒蔵を知ってほしい。
そんな想いを本プロジェクトに込めました。
支援いただいた金額は、返礼品の原価と老朽化しているはねぎ搾りの槽の改修費に活用させていただきます。
吉田屋は製造量90石と小さな酒蔵です。
『だからできるこだわり』を大切に、これからも色々な酒造りにチャレンジしてまいります。
※返礼品のお酒は、搾り後、澱引き(おりびき)濾過をして瓶詰めしたものをお送り致します。
※商品の仕様は一部、変更になる場合がございます。
はねぎ搾りLIVE配信について
「Teto 」純米吟醸酒生原酒720ml×6本をご支援いただいた方限定で、本商品製造過程の「はねぎ搾り」LIVE配信視聴権をお付けいたします。日時は実際の仕込の日程が決まった後、ご案内致します(11月後半~12月前半予定)。